クライミングとは 石門ゲレンデ1,2 石門3,4 朝立ゲレンデ 体験スクール 石門倶楽部


ゲレンデガイド

石門の花「くちなし」
石門公園
 阿南市の名峰「津乃峯」の長生側登山口にある「ひょうたん池」の一帯を石門公園といいます。公園といっても案内板もトイレも駐車場もない里山の田園地帯ですが、夏目漱石の小説{坊ちゃん」のモデルになった弘中正義先生が好んで散策したゆかりのある隠れた景勝地です。そのひょうたん池の手前にある岩山が石門岩山です。

※注・・・石門公園には駐車場はありません。道路も狭く、車1台分しかないので道路端に駐車すると通行車や農作業の方に迷惑をかけます。岩山近辺での駐車は禁止です。もし駐車するなら桑野川河川敷の邪魔にならないところに置いて歩いて下さい。

せきもんいわやま
石門岩山

左からA、B、C、中央ハングD、右はE
 石門岩山(標高59m)の南面全景です。クライミング壁は5面にてコースは7本ほどあります。およそ12~3mの短いピッチで突起が多いので初級向けです。けれどクライミングスキルの基本と支点確保のシステムワーク、ロープワークの練習をするには市街地に近いのでとても便利です。南向きなので冬でも暖かく気持ちよく過ごせます。


裏側(北ゲレンデ)

右寄りの中間面とピーク下中央
 北側は木が生い茂っています。右側の下から中間高さ迄の面と正面Cコース手前の裏側は面白いスラブ壁があります。初夏や残暑のきつい時期にはこちらが涼しくていいです。

北口ステージ~初心者向け~

トップロープクライム
 裏側北ゲレンデにあるスラブ壁。突起も多いので初心者基本講習向け。ゴールまでの高さは約16mにて、2ルートにてロープ確保できます。ウォームアップとして途中までの登りと下りにて「静加重・静移動・三点確保」を練習します。上りより下りが難しく危険な事が実感できます。登山での滑落事故が下りに多いという理由がよくわかります。トップロープにてピークまでのクライムアップと懸垂下降が出来ます。

静加重・静移動
 ①手をかける、足を乗せる時はその岩が安定しているか確認しながらゆっくり体重をかける。
 ②加重後の移動は速やかに。抜き足、差し足のサイレントなイメージで!。
 ※石門岩山の岩質は硅石(チャート)で鋭利に割れやすく、剥がれ落ちそうな箇所も数ヶ所あります。

三点確保とは壁に対して両手両足で立った状態から、1点を離して3点でバランスを保って登る登山の基本技術です。ポイントとして
 ①壁に対して正面で向かい、上体を離してつま先で立つ。
 ②二等辺三角形を意識して3点の置く位置を決める。
 ③足で登ることを基本にして手はバランスや、きっかけをとる程度で負担ををかけないようにする。
 
それに対して登攀のスピードや、難度の高いルートに挑むスポーツクライミングでは、三点確保の基本に拘らずにより速く、効率よく、身体能力をフル活用して競い合います。核心部では跳びついたり、反転したりとトリッキーなムーブで魅せる華やかさが人気をよんでいます。

けれど自然の岩場でのクライミングは「絶対に落ちない岩登り」を原則にしています。いくらロープ確保をしていても滑落となれば事故となるリスクが人工壁よりはるかに高くなります。ここでの目的は山歩きでの安全確保のスキルアップなので、安全第一にて室内で練習するようなチャレンジは控えます。
 
クライムアップ ロープの結び方 セルフビレイ ロープ確保のクライムダウン 



ステージBコース人工ルートの確保ワーク~

既設ルートでのリードワーク


正面ステージのテラスに上がった所がBコースです。ほぼ垂直壁で、既設のルートにヌンチャクで支点確保していくリードワークの練習が出来ます。けれどハーケン、ボルトは古く、強度に不安があるのでトップロープの確保が安全です。上の画像右側の段座突起は剥がれる可能性があるので行かないように。特にビレイヤーは要注意です。
リードロープ 下でのビレイワーク 確保器(ATC)


Aコース自然の確保ワーク~

木や岩で支点構築
 Bコースより緩い初級スラブ壁です。 ここでは立ち木や、岩を利用してシュリンゲとカラビナで支点を作っていくリードワークが出来ます。登山、沢登りの現場ですぐに応用できるのでおすすめです。
スタート 立ち木を支点をつける

踏んばりどころ
ピークへ 懸垂下降


Cコース~現在は使用禁止~



この突起岩が危険にて使用禁止。
 
第2ステージの関門のCコース。A、Bより難易度が高いコースですが、ゴール下核心部の突起岩(上画像)が落ちる可能性があるのでのは時間の問題的な状態で、ハイリスクを伴いますので平成26年より当方では使用禁止にしています。下の画像は24年撮影のものです。
 
取り付き 序盤に難あり 核心部で確認 右の突起岩を使わない
アタック 下降システムセット 懸垂下降



トップロープとリードロープのクライミング

 クライマーをロープで安全確保するシステムで、支点のとる位置で分けられます。
●トップロープはルート終点で支点をとり、つるべ方式で下のビレイヤーが確保するシステム。長所は信頼度の高い支点がとれて滑落時の距離が短く安全性が高いこと。短所はセットするのには事前にゴールに上がらなければならない事。またトップ支点の真下から左右にずれた位置で滑落するとクライマーは振り子のようになって岩と接触するリスクが高いのでルート取りに注意が必要。


●リードロープはマルチピッチといわれるアルパインクライミングの基本ワークで壁に設置したハーケンやボルトにヌンチャク、ロープをかけて支点確保していく方法で登る事にクリップするワークの迅速性が求められます。最近は自然へのローインパクトの考え方で岩場に打ち込まないナッツやカムなどの回収できるデバイス使用が主流になっています。短所としてトップロープに比べて支点の信頼度が低く、滑落時は最後にクリップした位置から登った高さの2倍の距離の落下となるので怪我するリスクは高くなる。

クライマーとビレイヤーは互いに命を助け合うパートナーなので信頼関係がないとできないものです。
信頼関係を築くには時間がかかりますが、その第一歩はコミュニケーション。行動に移る時、止まる時、ワークを始める時、完了した時などその都度言葉で状況を伝えてビレイヤーが把握できるようにする事が大切です。

支点構築について(お願い)
各コースのゴール地点にはボルトやチェーンで支点をつくっています。けれどそれらは日光や雨風を直に受ける位置にあるので日々劣化をしています。安易に信頼せずに残置支点は最後のロープ回収用として利用するほうが低リスクです。

この岩場での支点は先輩方が構築してきたものを活用させてもらっていますが、経年劣化により使えないルートもあります。今までは古くなった支点は取り替えていましたが、環境保護と自然のローインパクトを基本とするフリークライミング界の方向性に従って、石門岩山の所有者への敬意と、阿南の隠れた名所の自然保護を考慮して、ボルト、ハーケンなどの残置支点の新たな設置はやめていくことにしました。ここを利用される一般の山岳会や、個人の方々のご理解ご協力をお願いします。

石門俱楽部 戸川満夫