スノーシューイング スノーシューとは 山行の準備   体験ガイド ハイクレポート

スノーシューとは
     スノーシューは遥か紀元前より狩りの道具として中央アジアで誕生したと言われています。その後北米に渡り、その土地や目的にあうように進化してきました。20世紀前半までは柳などの木枠に革の紐や布を張った細長い雫型(左画)でした。 1970年後半にアルミパイプのフレームにネオプレン地の布を張った型になり(下画)、90年代にはフランスのTSL社がプラスチックのビンデイングデッキ型を発売して西欧で普及しました。  
 
和カンジキと西洋かんじき
日本のカンジキ(ワカン)はタモなどの曲げやすい木にひもで靴に縛りつけるシンプルなものです。西洋カンジキ(スノーシュー)は柔らかい雪でも沈まないように浮力を上げるデッキを貼り、長距離を歩きやすくしたものです。使用目的や場所によって変わってきます。
 
木製スノーシュー 平地用ワカン  山用ワカン  アルミ製ワカン 
スノーシュー   ワカン
細長い楕円形で直進しやすい 
ビンデイングで素早くしっかり装着できる。
ヒールフリーで歩きやすいが後進しにくい。
浮力が高く、新雪のラッセルがしやすい。
斜面のトラバースでは滑りやすい
サイズが大きく嵩張り重量もワカンより重い
  小ぶりなので扱いやすく小回りがきく。
軽量でシンプル、サイズも小さく携行しやすい。
デッキがないので新雪では沈みが大きい。
踵を固定するので下りや後進にしやすい。
自作や修理が簡単で経費も安い。
アイゼンと併用出来るので斜面でも適応可。
 
 
★フレームタイプ(U・A社) 
 
 ベルトで靴を固定 裏アイゼン     
 スノーシュー体験のレンタル用にH12年に購入したのが上のフレームタイプ。アルミパイプフレームに3本のベルトで靴を装着するが緩みやすいので途中での締め直しが必要。このタイプは低価格の平原用仕様の為、山歩きのコースでは2年ほどでクランポンを支える革が切れる、デッキ素材が割れるなど補修が多くなりました。様々な人が体験するレンタル用は使用の要領がわからず壊れやすいです。アトラスなどのメーカー製品はビンデイングもしっかりして固定できます。 
 ★ビンデイングデッキ(TSL社) 
 
C爪と6箇所にスパイク D靴にピッタリ適合 ヒール固定ができる  
TSL社(フランス製)はスキー場でのレンタル用として普及しています。平成18年にレンタル用に追加購入しました。デッキの上にビンデイングのついた板に靴を乗せて固定します。 靴のサイズに合わせて調節できるので緩みにくいのが長所です。 またヒールを固定出来るのでゲレンデの状況に応じて切り替えて脚力の負担を軽減できます。アイゼンも爪先以外に6箇所にスパイクがあり氷結路面で有効です。フレームタイプと比べると靴がビンデイング板の上に乗っているので若干歩きづらい感がありますが、靴にフィットしてアイスバーンでも安定して歩けるのでレンタルには適しています。
フレーム・デッキ型(MSR社)
フレームタイプ(ライトニング)    デッキタイプ (EVO) 
     
H26年2月にMSR(マウンテン・セ−フテイ・リサーチ社)のスノーシューを購入しました。このメーカーは1969年米国の登山家(Larry Penberthy)によって設立された登山、クライミング、山岳テント等の専門メーカーです。最高グレードのライトニングはパイプを板状のフレームにして横滑りしにくく、爪先のアイゼンに雪がからみにくい最強の製品です。右のデッキタイプはリーズナブルでトラバースでの横滑りを抑えた登山向きのイチオシだったのですが・・・。

R4年1月の山行でゴム製のストラップベルトが切れる事態が続出。事前にチェックしていたが、寒い現地で装着時に簡単に切れてしまう。アイゼンベルトや、予備のTSLのスノーシューに替えて対応するが、こちらはビンデイングつま先のカップが劣化破断してしまうが、ストラップのみの固定で充分使用できました。 
 
メーカー純正部品のゴムベルトは1本880円で、ライトニングは8本、EVOは6本使うので結構高くなる。ベルトの使用寿命は使用条件にもよるが大まか4〜5年との事。ベルトのみ交換してもバインディング本体もゴム製なので破断する可能性が高い。バインデイング自体の取り替え修理は18,000円になるので一応前はアイゼンベルト、後ろは純正ベルトにして3千円で収まる。アイゼンストラップは通販で1本500円弱。ビンデイングの金具にピッタリ通せない形状なのでややクセがつくが劣化の心配はなくしっかり固定出来る。
最近のMSRスノーシューはバインデイングをメッシュカバー式やラチェット式で2本締めにモデルチェンジして改善しているようだが、従来のゴムベルトも使っているので応急としてアイゼンベルトは携行すべきです。メーカーにはアイゼンベルトを通しやすい金具形状の考慮に期待したい。
 
 フレームタイプ(UA社)の修理
 スノーシュー体験は初級登山のハイキングコースにて、安価な用具をレンタルしていたので傷みも多く、修理することが多くなりました。特にアイゼンのあるビンデイングを支える左右のベルトが擦り減ってちぎれるものが続出、その為ホームセンターで結束用のビニールバンドを補修部品の代用として行ないました。
紐で固定して接着剤で保護 結束バンド バンドの余りは切り取る 左右5本ずつで止める
 道具の取扱いとして
●登山仕様でないスノーシューは、平原を歩く程度の仕様の為登山や、下りを走ったりするハードな使い方は壊れる原因になります。
●ベルトは緩みのないようしっかり締め付けてください。また休憩時には時々締め直しましょう。 
レンタルスノーシュー
   
 レクサ―のレンタル用のスノーシューは
▲フレーム:12足(L2、M7、S3) ▲TSL: 6足(L2、M4)
▲MSR:3足(M3、S1
※サイズ選びの目安:体重+靴+ザックの重量、L80kg、M65kg、S45kg未満。
積雪、雪質により異なります